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起業するということ㊱

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技術士試験に無事合格し、2018年にはAQ1種の

認定もいただき、いよいよ大手を振って海外展開

を開始した。社員も増員し、私が夢に描いた世界

へ羽ばたく仕事へ邁進していった。

「県産材なんか海外で売れるわけないじゃないか」

吐き捨てる人も沢山いた。最初の3年間は全く1円も

売れなかった。周りの協議会の連中はだんだんと

海外への熱が冷めてきて、私一人だけになってし

まった。それでも全くあきらめようなんて思わな

かった。むしろ、これこそが私の目指した世界、

絶対に成功する!としか思わなかった。そう

やって台湾で展示会、商談会、セミナーをあの手

この手で企画し継続してきた結果、少しづつ

県産材が売れ出して、コンテナでの直接貿易の

実績を積んできた。今では40フィートコンテナ

で年間数千万規模の貿易を行うことができるよう

になり、来年には現地で生産工場を造ろうとして

いる。事業に勢いがついてきた。

私はよく「あなたは運が良い」と言われる。自分

でもそう思う。不思議な縁や出会い、導き、など

考えられないほど強運に恵まれている。だからこそ

さらに世界展開を目指すし、自分にはできるという

確信があるのだ。すべての人、モノ、自然に感謝、

感謝、感謝しかない。なぜこんなに恵まれているのか

不思議で仕方ないし、説明がつかないことばかりだ。

そんな私に、「会社を辞めて独立したいのですが・・」

という相談が結構やってくる。 ㊲につづく。

起業するということ㉟

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たった一人で始めた「技術士」受験のための勉強は

困難を極めた。ネットと参考書のみでの独学は、

厳しくつらい日々であった。理系の高度な試験で

商学部出身の文系の私には、統計学やベクトルの

数式は難解過ぎた。3回目の受験時に東金沢駅から

試験会場の金沢工業大学へ向かうため、タクシー

に乗った。同じ受験生の40代ほどの男性が、私の

行き先を聞いていたらしく、「相乗りさせてもらえ

ませんか。」と聞いてきたので、もちろんOKして

同乗することになった。彼はおもむろに話かけて

きた。「技術士の試験は、私はこれで10回目なん

です。今回落ちたら、もうあきらめようと思って

ます。」と。こちらは聞いてもいないのに、かなり

重たい話を聞かされて、一層試験への緊張感が高

まった記憶がある。長時間の試験のため、休憩

時間にチョコレートを食べて、脳を活性化させ

ながら試験に臨んだ。そして奇跡的に受かった。

4回目の受験であった。最後の渋谷の道元坂での

面接試験の朝、ホテルで気合を入れ過ぎて、

髭剃りで鼻の下を切ってしまい、絆創膏を貼った

情けない顔で受験した。これで落とされたら、

二度と髭剃りは使わない、と心に決めて挑んだ。

試験会場を出て、手ごたえを感じていた私は

道玄坂でガッツポーズをして「ヨッシャー!」と

叫んでいた。ホテルから出てきたカップルたちが

白い目で見ていたのは言うまでもない。

   ㊱につづく。