組織について考える⑩
		
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特に創業者として、事業を軌道に乗せて、マス
メディア等で取り上げられると、周りからもちや
ほやされて有頂天になる人が多い。なにしろ、
創業後3年で5割の企業が消えていく厳しいビジ
ネスの世界で、新たな事業を成功させることは、
確かに賞賛に値すること。片町で飲み歩き、高級車
やマンションを買いまくった人も知っている。
勝って兜の緒を締めよ、とばかりにさらに謙虚に事業
に取り組んでいく人も知っている。会社や組織は、
その社長や代表の器以上には、大きくならない、
といわれる由縁である。要するに、どこに事業拡大
、発展の意味を持たせるのか、何がゴールなのか、
をはっきりと認識し、邁進できる人こそ、高い頂
に到達できるのだと思う。自分自身が組織を飛び
出し、新たな組織を作ろうとする場合、そのゴール
は、私利私欲を離れ、人類共通の幸福感を満足させ
るものでなければならない、と思っている。組織に
かかわるステークホルダーのすべてが、地球環境も
含めて、「よかった」と思える組織体としての会社
こそリテラシーの高い集団として、発展していくの
のだと思う。    ⑪につづく
 
						
 
	
		起業するということ⑩
		
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国の認定を取得し、重要案件で実績を作り、県の
研究会の委員になった段階で、注目度が一気に
アップした。役所や設計事務所に営業に行って
も、今までとは先方の聞き方が変わってきた。
県の自然公園整備工事等で、マーベルウッド
での設計仕様が次々と実施設計書に記載され
ていった。当時、まだ一人で営業から材料手配
製造管理、出荷、施工管理、証明書、納品書
請求書の発行、会計処理、すべてを行っていた。
早朝2時に岐阜の現場へ材料を搬入し、そのまま
東京へ2トン車で移動し、東京の設計事務所へ
営業活動し、寝不足のまま、ふらふらになって
福井まで運転して帰ったこともあった。
ひとりで、である。しかし、ぜんぜん大変で
なかったし、辛いなどと1度も思わなかった。
世の中に必要とされている幸福感のほうが
強かった。オザワという一人の人間を信用し
ていただき、仕事を発注してもらい、天然木材、
地域の木材、県産材の利用拡大に貢献出来て
いるという喜びは、何物にも代えられないもの
だった。この高揚感のために、自分は起業した
のだと実感できた。    ⑪につづく