起業するということ㉘
/仕事
ただ、独立起業したいのだけれど、そのタイミングが
難しかった。何しろ、北陸で1番の知名度と高い給料
充実した福利厚生、だれもが辞めようとは思わない
優良企業、私自身も全く不満などなかった。
40歳の後半になって、自分の人生、将来、生き方に
ついて今までになく考えた。上司や先輩たちの会社
での処遇やその後の生き方も参考にした。定年まで
務めて、再雇用で楽しく過ごしている先輩も多い。
ふと、考えた。「何がこの人生の目的なのか。」
「安定した職場で子どたちを育て上げ、世間から
も好意的にみられる家庭を築くこと、それが私の
目的だったのか。」妻は東京の商社時代の同僚、
私を信じて、生粋の江戸っ子なのに一緒に
福井に来てくれた女性。妻のお父さんには、
「必ず幸せにします!」と約束して結婚した。
2011年初頭からの半年間は、迷いに迷う
時間となった。 ㉘に続く。
起業するということ㉗
/仕事
地元大手の商社勤務は、貴重なビジネスの力を蓄える
期間となった。私は「マーベルウッド事業」以外にも
日立製作所のエレベーター、三井金属の上下水道用
パイプ、三菱電機、シャープの太陽光発電の営業
責任者でもあった。北陸で営業を展開したい大手
メーカーは、まずはこの会社にあいさつに来て、
代理店契約をして販路を拡大していった。私も
担当営業マンとして、大手メーカーと協調して
市場開拓にあたり、各社の営業方針、製造企業
としての社会的責任、リスクヘッジ、社風など、
多くのことを学んだ。大きな金額の動く商売は
ダイナミックで緊張感があり、1社員という
よりは、1人の経営者としての責任と権限を
与えられており、やりがいを感じながら、経験
積むことができた。同時に、地力をつけて営業に
自信をつけてくればくるほど、自分の会社を起業
したい、この仕事で世界で勝負したい、という
気持ちがどんどん強くなっていった。
㉘に続く。